レザー製品を徹底解説!種類や違いは?長く使うものだからこそこだわりを
こんにちは!Lime On Dishスタッフの三村です。
オシャレは足元からなんて言葉は昔からよく使われていますが、その足元に彩(いろどり)を与えてくれるのが「革」ですよね。
シューズだけでなく、バッグやサイフなど、革製品が1つあるだけで気分もコーディネイトが引き締まります。
フォーマルな装いはもちろんのこと、カジュアルの中に1つ革製品を入れるだけでも、また印象が変わってきますよね。
Lime On Dishでも
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などの革製品を取り扱っております。
ただ一言で「革」といってもたくさんの種類がありますし、種類によって値段も変わってきます。
そこで今回は「革」の種類についてまとめてみました。
皮と革の違いとは?どんな種類がある?
革というと、一般的には動物の皮に”なめし加工”を施した素材のことをいいます。
なめしというのは、皮になめし材の成分を浸透させる処理のことです。
漢字で書くと「鞣し」、革を柔らかくすると書きます。
動物の皮はそのまま放っておくと、水分が抜けて硬くなったり、腐敗してしまったりします。
それを製品として使える状態にするための工程が、なめし加工です。
植物性由来の「タンニン」や塩基性硫酸の「クロム」などのなめし剤を革に浸透させることで、防腐性・耐久性を向上。
そしてより柔らかくなっていきます。
こうして皮から革へと生まれ変わっていくのですね!
なるほど。
革製品によく使用されるのは、牛革・豚革・馬革・羊革、ほかにもワニ革だったりヘビ革だったり、哺乳類や爬虫類が多く使われています。
さらにはそこからブライドルレザーやコードバン、スウェードにヌバックなど、さらに細かく分けられます。
当店の商品でも”スウェード”チャッカブーツや、”ブライドルレザー“ベルトなどがありますよね。
では1つ一つ、見ていきましょう。
革の王道「牛革」
日本では「革」といえばやはり”牛革”
「革製品=牛革」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。
柔らかさと耐久性を兼ね備え、加工もしやすいため、サイフやカバンなどあらゆる製品に使われています。
高級品からリーズナブルなものまで、価格帯も様々。
私たちにとってもっとも馴染みのある皮革かもしれません。
しかし牛革だけでもかなり細かく分類されており、
カーフスキン
キップスキン
カウハイド
ステアハイド
ブルハイド
などがなど。
これらは牛の性別や生まれてからの期間によって分類されているそうです。
例えばカーフスキンは生後6か月未満の仔牛の革をいい、きめが細かく柔らかいのが特徴。
希少性・銀面の美しさ・肌触りの良さから、牛革の中でも最高ランクとして扱われています。
キップスキンになると、生後半年~2年の牛になります。
カーフスキンほどではありませんが、なめらかで美しく柔らかな肌触りが特徴的。
また供給量も安定しており、牛革の中では最もポピュラーな種類になります。
それだけ用途も幅広く、サイフ・カバン・シューズ・ベルトなど様々な製品に使われています。
カウハイド・ステアハイド・ブルハイドは生後2年以上が経過した大人の牛になります。
(厚みがあり重さが25ポンド以上の革は「ハイド」と呼ばれるようになります)
それぞれの違いは
カウハイド…生後2年以上のメスの牛、出産を経験している
ステアハイド…生後2年以上のオスの牛、生後3か月ごろに去勢されている
ブルハイド…生後2年以上のオスの牛、去勢されていない
この中でもっともポピュラーなのはステアハイド。
仔牛以上の革の厚みを持つうえ、去勢をされたことで革に柔らかさも出るため、耐久性と滑らかさを兼ね備えたバランスのいい革です。
そのためカバンやサイフなど、多くの製品に適しています。
もともと食用として飼育される牛であるため、供給量が安定しているのもポイントです。
カウハイドは出産を経験したメス牛の革になります。
革の厚みはステアハイドほどではありませんが、仔牛以上の厚みを持っており、それでいて柔軟性もしっかりと持ち合わせています。
耐久性と柔らかさで、仔牛スキンとステアハイドの中間くらいの立ち位置になります。
そしてブルハイドは、去勢されていないオス牛の革のこと。
繊維は粗く革質も硬いのですが、厚みがあるため耐久性に優れた製品になります。
汎用性はそれほど高くないものの、ワイルドな表情を持つ、唯一無二の牛側製品です。
(ちなみに牡牛がブル、牝牛がカウといわれるそうです)
最後に、見やすく一覧表にまとめてみました。
牛革の種類 | 判別方法 | 特徴 |
カーフスキン | 生後6か月未満の仔牛の革 | 滑らかで柔らかく美しい 牛革では最高ランクに位置する |
キップスキン | 生後半年~2年の牛 | 滑らかで柔らかい 供給量が安定しているので最もポピュラー |
カウハイド | ・生後2年以上のメスの牛 ・出産を経験している |
カーフとステアの中間ぐらいの柔軟性と耐久性 供給慮が安定しているのでよく使用される |
ステアハイド | ・生後2年以上のオスの牛 ・生後3か月ごろに去勢されている |
耐久性と滑らかさを兼ね備えたバランスタイプ 食用として飼育される牛の革 |
ブルハイド | ・生後2年以上のオスの牛 ・去勢されていない |
厚みがあるので耐久性が高い 繊維は粗く革質も硬いがワイルドな表情をしている |
・ブライドルレザー
ブライドルレザーは牛革を使った製品になります。
ブライドルというのは手綱や頭絡(とうらく:馬に手綱をつけるための装置)など、乗馬に使う馬具の総称をいいます。
ヨーロッパでは古くから馬具に牛の革が使われており、さらに耐久性を高めるためにロウが塗り込まれていました。
何度もロウを塗り込むことにより、革はより堅牢になり、引き締まっていきます。
丈夫なうえに手入れもそれほど手間がかからず、革を酷使する馬具には最適だったのです。
さらに革が古くなっても急にブチっとちぎれることはなく、端の方から徐々に裂けるように切れていきます。
そのため交換のタイミングも見極めやすく、使い勝手の良い馬具として広まっていっていきました。
現代のブライドルレザーにも丁寧にロウが塗り込まれていて、新品の製品にも白っぽい模様が浮き上がっていますよね。
あれが「ブルーム」と呼ばれる、ロウが浮き出たものです。
出典:Yahoo!ショッピング
ブルームは手の体温で徐々に落ちていき、艶のあるブライドルレザーが顔をのぞかせます。
(気になるなら専用のブラシで落としてOK)
先人たちが証明してくれたその耐久性、きっと一生の付き合いになってくれることでしょう。
当店ではブライドルレザーの商品にこちらのベルトを取り扱っております。
牛と並ぶ高級皮革「馬革」
馬革も牛革と並ぶ高級皮革として知られています。
馬は運動量が豊富で筋肉質。
つまり余分な脂肪が少ないため、その分だけ薄くて軽くてやら柔らかい良質な革になります。
牛革も十分に丈夫なのですが、それは厚みがあるおかげです。
同じくらいの薄さにして比べると、馬革の方が丈夫になるともいわれています。
・ホースヌメ
馬革の中でも、タンニンなどの天然由来のなめし材のみでなめされたホースレザーを「ホースヌメ」といいます。
柔らかな手触りと自然な風合いが特徴で、カバンやサイフなどの小物によく使用されていますね。
タンニンでなめしたのちに蜜蝋(みつろう)などのオイルを塗り込み、そこから軽く革を揉んでいきます。
そうすることで「シボ」と呼ばれるシワ模様ができるのです。
出典:楽天市場
このシボは、より「革」らしい表情を製品に与えてくれる重要な要素。
革を揉む工程もシボを計算しながら行われるため、職人にとっても腕の見せどころとなります。
シボはホースヌメ特有のものというわけではありませんが、ホースヌメの自然で優しい風合いや革の柔らかさ、エイジングによる色合いの変化はシボとの相性抜群。
長く使いたくなるレザー製品です。
・コードバン
数ある革製品の中でも最高級品として扱われているのがコードバンです。
使っているのは馬の臀部の革。
つまりお尻の革ですね。
1頭当たりの量は非常に少なく、貴重な部位となっています。
しかし繊維密度はそれ以外の馬革のおよそ3~5倍。
強度や耐久性も非常に高く、高級皮革として使われる理由は十分にあるのです。
表面は美しい光沢を放ち、硬くてハリもあるため、フォーマルな場面にはピッタリの製品。
サイフや名刺入れ、ビジネスバッグなどに使われています。
ただしコードバンと謳う商品の中には不自然に安価なものもあります。
そういった製品は表地だけコードバンを使用して中の革は別のものを使っていたり、あるいはコードバンに似せた牛革ということもありますので注意してください。
コスパ抜群の皮革製品「豚革」
豚革もよく流通している革の1つ。
牛や馬の革と比べるとやや安価な印象ですが、軽さ・通気性・丈夫さを兼ね備えた良質な革です。
品質が劣るというわけではなく、むしろコスパに優れた素材ということですね。
ただ皮のすぐ下に皮下脂肪があるため、あまり厚みのある製品には向かないというデメリットもあります。
ちなみに日本では唯一、国内で飼育から加工・製品化までを行うことができる革でもあります。
世界に流通する豚革のうち、7割は日本なんだとか。
ヨーロッパでは豚皮は牛皮・馬革にまさる高級品として扱われていたりもするそうです。
まあ沖縄では豚皮として食べちゃうんですけどね(笑)
世界的に見ても豚皮は食用にしている国の方が多く、だからこそ日本の豚革が重宝されているのかもしれません。
HERMESやGUTTIにも使われているほど、品質の高さが認められています。
豚革の最大の特徴は、三角に並んだ毛穴模様です。
出典:楽天市場
この独特の毛穴模様は革の通気性を良くしてくれるうえ、豚革自体が摩擦にも強いため、製品はとても長持ちするという特徴があります。
毛穴の三角模様もシボと同じく、より革らしい表情を強調してくれますね。
・アメ豚
豚革の代表的な種類に「アメ豚」があります。
かつては豚の白革に亜麻仁油を塗布し、表面を石で研磨して製造されていました。
完成すると光沢のある美しいアメ色の革になったため、アメ豚と呼ばれるようになったのです。
決してアメリカ産の豚肉ではありません。
現在では亜麻仁油は使わず、植物タンニンで丁寧に革をなめし、革を染色してからクレージングを使ってアメ色に仕上げていることがほとんどです。
透明感のある仕上がりとなり、豚革特有の三角の毛穴模様もより強調。
他のどの製品よりも「革」らしさのあふれる製品となります。
・ピッグスウェード
スウェードというのは、革の床面(裏面)を起毛加工した革のことを言います。
特に豚革を加工したスウェード生地は、繊維が細かく手触りがいいため、より高級感のある製品になります。
特にスウェード加工をすると三角の毛穴模様も目立たなくなるので、国内ではこちらもよく好まれていますね。
ジャケットやパンツに最適「羊革」
羊毛でおなじみの羊ですが、革に関してもよく使われています。
他の動物の皮と比べると、同じ革とは思えないほど柔らか。
体へのフィット感はほかの革よりも優れていて、レザージャケットやレザーパンツに使用されます。
ただし繊維が粗いため、傷や破れはほかの革よりもつきやすいという特徴もあります。
・ラムスキン
生まれてから1年未満の羊の革を「ラムスキン」、1年以上たった大人の羊の皮を「シープスキン」と呼びます。
まるでラムとマトンみたいな関係ですね。
ラムスキンはシープスキンよりもきめが細かくしっとりとした手触りが特徴。
子どもの羊はまだ羊毛が細く、あまり毛穴も目立たないため、美しい革に仕上がるそうです。
・シープスキン
一方のシープスキンは生後1年以上が経過した大人の羊の革のこと。
別名「ムートン」
ムートンというとブーツなどでも同じように、毛皮のついた製品をイメージする肩も多いかと思いますが、
(実際に現在ではなめした革を「シープスキン」、毛皮のことを「ムートン」と呼ぶことがほとんど)
本来はシープスキンのフランス語表記が「ムートン」になります。
羊にはくるっと巻いた毛質が特徴の「ウールシープ」、羊毛なのに直毛の「ヘアシープ」の2種類が飼育されています。
ウールシープはおもにヨーロッパで飼育されており、寒さから身を守るために体全体が高密度の体毛でおおわれています。
そしてこのヘアシープから刈り取られた毛が、良質な羊毛になるわけですね。
ウール製品は当店でも多数取り扱っております。
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しかしヘアシーブは良質な羊毛が採れる一方で、栄養はほとんどが体毛の方に取られるので、羊革として見るとあまり質はよくありません。
あくまで羊毛専門という感じです。
直毛のヘアシープは、アフリカやインドなどの熱い地域に生息しています。
熱い地域にいるので、羊毛を蓄える必要がないのですね
ですのでヘアシーブとは対照的に、羊毛の質はあまりよくありません。
しかし毛足は短く、皮下脂肪も少ないため、羊革としてはうってつけ。
柔軟性がありよく体にフィットするため、レザージャケットやレザーパンツなどに使用されます。
「オーストリッチ」は何の皮?
結構よく耳にする革の種類でオーストリッチがあります。
革の種類?部位?加工の種類?
と、一体全体なんなのか、よく分からないレザーの代表格じゃないでしょうか。
結論から言うとこれ、ダチョウの革です。
爬虫類皮革とともにエキゾチックレザーに属すみたいです。
地上最大の鳥類であるダチョウには表面40%にのみ存在するクイルマークと呼ばれる粒粒の羽軸跡で、これがエキゾチックでエレガントな表情を醸し出します。
出典:楽天市場
中世ヨーロッパでは貴族階級がステータスとして羽根を帽子のアクセントとして利用していていたりと、昔から高級品・贅沢品として利用されてきた歴史があります。
羽根も革も肉も有効活用できるダチョウの養殖は1993年まで南アフリカ共和国の独占的畜産業だったそう。
日本ではバブル期に大流行しました。親世代が持っていたりしませんでした?
僕もブツブツのレザーは何なのか不思議に思っていました。
希少性の高いレザーなので高価な商品に使用されています。
あまり知られていませんが、実は機能面に優れているのです。
これはオーストリッチが立体構造をしているからで、その耐久性は牛革の5~10倍ともいわれていて、しかも牛革より軽量です。
希少性が高くて軽くてしかも丈夫なレザーのオーストリッチ。これが人気の理由です。
Hermèsでもバーキンやケリーで、GUCCIやPRADAやドイツ発祥のMCMなど、ハイブランドたちがこぞって使用しました。
野性味あふれる「エキゾチックレザー」
ここまで牛・馬・豚・羊と紹介してきましたが、これらはすべて哺乳類。
かつてより家畜としても飼育されてきた動物たちです。
他にもヤギやシカなんかもレザー製品として出回っていますね。
しかしレザーには他にも、ワニやヘビなど爬虫類の皮を加工して作られる製品もあります。
爬虫類の革は「エキゾチックレザー」と呼ばれ、革の模様がそのまま使われるなど、よりワイルドな仕上がりに。
動物によっては条約などで捕獲が規制されていることもあり、より希少な素材でもあります。
当店ではまだエキゾチックレザーの商品は取り扱っておりませんが、1つは持っておきたい魅力的な製品ですよね。
・エキゾチックレザーの王道「ワニ革」
エキゾチックレザーの代表格といえばワニ革ですよね。
出典:池田工芸
滑らかで美しいウロコ模様は、使い込むほどむしろツヤが増していき、深みのある色合いに。
高級感・華やかさがありながらも、落ち着いた雰囲気も持ち合わせているため、フォーマルな服装にも合わせられます。
ワニ革も大きく分けてクロコダイル・アリゲーター・カイマンの3種類に分けられます。
・クロコダイル
中でも代表的なのはクロコダイル。
クロコダイルもさらに細かく4種類に分けられ、それぞれでウロコの大きさや形などが変わってきます。
・スモールスケールクロコダイル
スケールというのはウロコの大きさ。
スモールスケールクロコダイルは、その名の通りウロコの小さなクロコダイル革ということになります。
イリエワニの革が使われており、バランスの取れたきれいな正方形が特徴。
その美しさから、もっとも人気で、もっとも高級なワニ革になります。
・ラージスケールクロコダイル
その名の通り、うろこの大きなクロコダイル革です。
ニューギニア島のみ生息しているニューギニアワニの革を使って製造されます。
古くから親しまれているワニ革で、1つ1つの大きなウロコが、よりワイルドな印象を与えます。
・ナイルクロコダイル
ナイルクロコダイルは長方形のうろこが特徴的。
細かい長方形が整然と並んでおり、ウロコの密度はほかのクロコダイルよりも高くなります。
こちらも古くから使われており、日本でもポピュラーなクロコダイル革の1つです。
・シャムワニ
シャムワニはスモールスケールとラージスケールの中間ぐらいの大きさのウロコを持ちます。
それでいて長方形型のウロコもあったり。これまでの3つのクロコダイル革を足して3で割ったような特徴ですね。
シャムワニ自体がとても胴の長い種類のワニですので、大きな製品を作るのに適しています。
・アリゲーター
クロコダイルと並び、ワニ革の代表格であるアリゲーター。
ウロコの形はやや長めの長方形。
そして最大の特徴は「穿孔(せんこう)」が見られないということです。
クロコダイル革には、ウロコの縁付近に針小さなくぼみがあります。
これはワニが備えている感覚器官であり(どのような役割があるかは解明されていない)、ある意味ではクロコダイルの証ともいわれています。
しかしアリゲーター革にはこの穿孔がありません。
そのため、より美しく、より滑らかな質感の革となるのです。
実はクロコダイル革よりも高額で取引されることもあったりあします。
ちなみに正確にいえばアリゲーターにも(革にならない)あごの部分に穿孔があるそうですが。
クロコダイルはワニ目クロコダイル科
アリゲーターはワニ目アリゲーター亜科
同じワニですが、種類が異なっているのですね。
進化の過程で穿孔にも違いが出てきたのでしょうか?
・カイマン
ワニ革の中でも比較的リーズナブルな種類になります。
おなかの革にはうろこの下にカルシウム分が付着した硬い部分があるからか、その分だけ安価に取引されています。
そのため、製品になる際は背中側のごつごつした方の革がよく使われます。
ワイルドな雰囲気を持つワニ革を体験してみたい方におススメです。
個性的なデザインが光る「ヘビ革」
こちらもエキゾチックレザーの代表格、ヘビ革。
出典:Yahoo!ショッピング
別名をパイソンレザーとも言います。
その最大の特徴といえば、やっぱりデザインですよね。
ヘビの模様がそのままデザインになり、とても華やかで野性味あふれる製品になります。
これはほかの革にはないヘビ側の魅力ではないでしょうか?
カジュアルなコーディネイトにもよくマッチします。
世界には3000種類を超えるヘビがいるとされていますが、その中でもヘビ革として使われるのは10種類いるかいないかほど。
中でも代表的なのはアミメニシキヘビでしょうか?
ダイヤ型の連続的な模様があり、別名「ダイヤモンドパイソン」とも。
この模様をサイフやバッグにしたとき、ワイルドかつゴージャスな、唯一無二の輝きを放ちます。
他にも
インドニシキヘビ
ビルマニシキヘビ
オオアナコンダ
タイコブラ
などの革が利用されることも多いですね。
『表面』がヌバック・『裏面』がスウェード
といった感じで各動物の革の特性などを紹介してきました。
ですが革製品には製法や革の表裏などで分類される種類もありまして、、、
例えばスウェードとヌバックなど。
スウェードは豚側の項でもピッグスウェードとして紹介しましたね。
これらはいったいどのような違いがあるのでしょうか?
・スウェードとヌバックの違い
革は表側を「銀面」、裏側を「床面」と呼びます。
スウェードとヌバックはまさにそこの違いで、銀面を起毛させたのがヌバック、床面を起毛させたのがスウェードです。
スムースレザーとはまた違い、柔らかで温かみのある表情が特徴。
表面もまるで絨毯のように毛並みが立っていて、落ち着いた上品さが表れています。
・スウェード
スウェードは女性用の手袋ガーント・ドゥ・スエード(gants de suede)に由来するといわれています。
suedeというのはもともとフランス語でスウェーデンという意味。
実は起毛の技術はスウェーデンから伝わっており、それがそのまま呼び名にかわっていきました。
スウェードの商品は当店でもスウェードチャッカブーツを取り扱っています。
スウェード加工ではなめした革の内側をサンドペーパーなどを使って起毛させ、独特の質感が生み出されます。
昔は子羊の革が多かったのですが、今では仔牛の革が使われることが多いみたいです。
手で触ると柔らかくてしっとりしているのに、非常に丈夫なのも特徴。
特に毛足が短く柔らかいものほど上質であるとされ、最も高級なスウェードは「シルキー」とも呼ばれます。
・ヌバック
一方の革の銀面を起毛させたのがヌバックです。
スウェードよりも厚みがあるため耐久性に優れており(スウェードは床面を削るのできれいに起毛させるには薄く削る必要がある)、
また毛足も短いため、なめらかな光沢・なめらかな手触りの生地になります。
牛や豚など様々な動物の皮を使っており、一般的にはスウェードよりも安価。
起毛皮革の中ではかなりポピュラーな存在となります。
スウェード | ヌバック | |
仕様部分 | 裏側である「床面」を起毛させたもの | 表側である「銀面」を起毛させたもの |
加工方法 | なめした革の内側をサンドペーパーで削るる 裏側は凹凸があるので綺麗に揃える為しっかりと削る |
なめした革の外側をサンドペーパーで削る スウェードより厚みがあるので耐久性がある |
表面 | 毛足は比較的長く、表情は柔らかで温かみがある | 毛足が短く、光沢があり滑らかな手触り |
流通 | ラムレザーが使われていたが最近はカーフレザーが多い | 起毛皮革ではスウェードよりポピュラー |
『合皮』『PUレザー』『フェイクレザー』『ネオレザー』
合皮とは合成皮革の略で、動物の皮は使用されません。
布地をベースにその上に合成樹脂を塗る事で、本物の革に似せた質感に作ります。
合皮とはこういう人工皮革を指します。
この合成樹脂はポリウレタン樹脂や塩化ビニルなどが使われます。
・PUレザー
布地の表面に「ポリウレタン樹脂 Polyurethane」を塗布してレザーに似せる人工素材のことです。
ポリウレタンはクッション材やストレッチ素材の服によく使われている素材です。
・PVCレザー
布地の表面に「ポリ塩化ビニル樹脂 Polyvinyl Chloride」を塗布してレザーに似せる人工素材のことです。
ポリ塩化ビニル樹脂は同じくクッション材やその他に絶縁材やビニールハウスによく使われている素材です。
近年ハイブランドでも環境に配慮した取り組みが行われていますが、その一環として本革を使用しないコレクションなんかもあります。
Junya Watanabe COMME des GARCONSが2014年SSコレクションで発表したライダースには合皮が使われた事も印象に残る出来事でした。
こういう流れも今のトレンドのひとつなのでしょう。
ひとつ、本革の難点としては、値段が高い。ここは逃れられない事実です。
その分長持ちし得る耐久性があること。だからずっと使い続けられます。
僕個人的な考え方ですが、長く使うという事で考えるならば、多少の値段は目をつぶってしまうのが男心です(笑)
また本革はずっと使っていると経年変化を起こしていきます。自分の使い方に染まっていくという状態ですね。
この経年変化、エイジングという言い方もしますよね。
Aging
「年を取っていく」「時間を重ねていく」といった意味合いです。何ともいい響きです。
自分のお気に入りと時間を重ねていくのって本当に素晴らしい時間です。
まとめ
ひとことで革といっても、これだけの種類があります。
しかも恐ろしいことに、これでもまだ紹介できていない革もたくさんあります。
結局のところ、まとめると革の一番の魅力はその「耐久性」に尽きると思いました。
長く愛用するという事を考えると、ここは外せない機能面です。
10年20年とメンテナンスを重ねたアイテムを後輩や子供に託しているのって素敵な贈り物だなって思います。
単なるプレゼントにはない”想い”が詰まっているんですよね。
そういった即物的ではない精神面がもの自体の付加価値だなと改めて感じます。
コダワリがある人はそういう心持ちだと認識すること。
そしてそういった本物志向のお客様に提案していけるセレクト・商品の良さを伝える事を我々ももっと追及していかないと、と心新たにした次第です。
当店でぜひご自身だけのお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
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