【Kepani(ケパニ)】もはやモノつくりの境地!?秘められた強いこだわり

こんにちは!Lime On Dishスタッフの三村です。

Lime On Dishでは多数のブランドを取り扱っていますが、皆様はどのブランドがお気に入りでしょうか?

各ブランドでこだわりの1枚が作られており、Lime On Dishでも自信をもって提供させていただいております。

ですがもっともっとたくさんの人にそのこだわりを知ってもらいたい、日々サイトを運営する中でそう強く思うようになりました。

そこでこちらのブログで、ブランドが持つ歴史やこだわりについて紹介していきたいと思います。

第1弾は日本生まれのアパレルブランド「Kepani(ケパニ)

着心地抜群、こだわりの詰まったスウェット製品を扱っているブランドですよね。

Kepaniとはハワイのローカル言語で「日本人、日本の・・・」という意味の言葉だそうです。

「He Kepanī ʻau」で「私は日本人です」という意味になるみたいですよ。

 

Kepaniの商品はLime On Dishでも

スウェットパーカー マンチェスターⅡ【Kepani】

クルーネックスウェット ハリスⅡ 【Kepani】

フルジップスウェットパーカー マンハッタンⅡ 【Kepani】

ヘンリーネックTee KP9940MS 【kepani】

 

の4アイテムを取り扱っています。

どれも肌触りが素晴らしく、素材へのこだわりを感じさせる1枚となっています。

Kepaniのコンセプト・歴史

デザインは、完成されたスタイリングの中から生まれます。

すべてを削ぎ落としていけばいくほど、美的に輝いていきます。

それは、かつて日本人が最も得意とした、造詣であったにもかかわらず、

今では、私たちの文化から、滑り落ちてしまっています。

失われた記憶を辿るように、完成されたスタイルは、強烈に私たちを惹き付けます。

たとえば、現在もなお普遍的なフォルムをそのままに醸し出している椅子、車、食器のように。

完成されたものだけに漂う沈黙と静寂が、どれほど心をいやしてくれることでしょうか。

すべての不要を捨てて絶対の心地よさを、たっぷりと楽しむ。味わい尽くす。

心の中の豊潤さを発見する。そのスタイルの一つを、

表現するために、素材と向き合いデザインをしていきます。

旧きにこだわらず、過剰な新しさを求めず、この KEPANI (ケパニ) を、創っていきます。

“KEPANI” とはハワイのローカル語で、「日本人、日本の・・・」という意味です。

 

Kepaniは2006年に設立されたブランドです。

糸の生成・編み・起毛・裁断・縫製

これらの工程をすべて日本国内で行っています。しかも創設者自ら糸商社・紡績工場・起毛工場と交渉したというのですから、相当な熱意を感じますね。

 

「すべてをそぎ落としていくほど、美的に輝いていく」

このコンセプト通り、Kepaniのアイテムはすべてシンプルなデザインになっています。しかし派手な主張がない分、“造り”の部分に徹底的にこだわりました。

素材にこだわり、工程にこだわり。

そのこだわりは、Kepaniを身にまとった瞬間に感じられます。単なるアパレルではなく、もはやモノづくりの境地。その飽くなき探求心は、多くのファンを魅了しています。

生地へのこだわり

Kepaniの生地へのこだわり。初めてKepaniを着た時、「あ、違うな」と、感動すら覚えてしまいます。ちょっとタイトなんだけど、ふんわりと肌を包み込むような、そんな絶妙な着心地ですよね。Kepani以外ではこの着心地は味わえないのではないでしょうか。

この着心地を実現しているのは「ラフィー糸」という素材です。トルファンの高級超長綿(ちょうちょうめん)と、ギザアメリカの落ち綿を混ぜ合わせて作られました。

 

コットンにも多数の種類がありますが、中でも有名なのがこの3つ

・エジプトのギザで作られる「ギザコットン

・アメリカ・アリゾナ州で作られる「スーピマコットン

・中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区トルファン市で作られる「トルファンコットン

これらは世界三大コットンとも呼ばれています。

 

繊維の長いコットンほど品質が高い

世界三大コットン「ギザ・スーピマ・トルファン」、これらのコットンにはある共通点があります。それは”繊維長が長い“ということ。実をいえば、コットンは繊維長が長いほど高品質なものになります。

生地を作るには糸が必要です。その糸はコットンを紡いで作られます。その紡績工程の中で、繊維の終端にどうしても小さな「(糸のかたまり)」ができてしまいます。ハンカチのような布製品を広げた時、白い糸の塊のようなものがついていたり、ちょっとした線(亀裂)が入っていたりした経験はありませんか?あれが「節」です。繊維の節が生地表面に出てきてしまうと、そういった形で表れてしまいます。

ですが繊維長の長いコットンを使って生地を作れば、この「節」が少なくなります。光沢があり、手触りが良く、私たちの心までも満たしてくれるような生地になるのです。

 

Kepaniに使われているのは、トルファンコットンの「超長綿」です。コットンは綿花から取れる繊維の長さによって種類が決まっており、以下のように分類されます。

短繊維綿(21mm未満)

中繊維綿(21mm以上28mm未満)

長繊維綿(28mm以上)

このうち「超長綿」は、繊維長が35mmを超える、長繊維綿の中でも極めて高品質なものです。地球上の綿花のうち、たった5%しか生産できないといわれているほど貴重なものになります。

 

ですがそれだけ素材としてはかなり優秀。肌触りの良さはもちろん、軽さと強度を兼ね備えており、吸湿性・放湿性にも優れています。滑らかでしなやかで光沢があり、見た目にも高級感があふれます。羽毛布団のシーツに使われていることからも、その優秀さが分かりますね。見た目の高級感・柔らかな肌触り・軽いかけ心地を兼ね備えながら、羽毛の温かさを逃がしません。

 

とりわけ超長綿の中でも、ギザ・コットンはさらに格別といわれています。ギザ・コットンは開発された順番に1から番号付けされており、中でもGIZA 45は超長綿の中でも最高品。数あるコットンの中で繊維長が最も長く、かつ繊維1本1本が細く、出来上がった生地はまるでシルクのような美しい光沢を放ちます。このGIZA 45は世界のコットンの中でもわずか0.001%ほどしか取れないそうです。

 

しかしKepaniのメイン素材となっているトルファンコットンもかなりの高品質です。トルファン市は雨が少なく、砂の多い地域。ですが天山山脈からの雪解け水に恵まれ、豊かな作物が育ちます。トルファンというのはウイグル語で「人と物が豊かな自然の地域」という意味。コットンも栄養豊富な雪解け水で栽培されており、白く美しく、そして繊維長の長い綿が育つのです。綿花の油分も多く、ギザ・コットンにも負けないくらい艶やかな生地に仕上がります。

 

Kepaniのラフィー糸は、このトルファンコットンの超長綿をベースに、ギザコットンの品種をアメリカに持ち込んで栽培した「ギザアメリカ」の落ち綿を使用。世界三大コットンをふんだんに使って作られました。

 

落ち綿とは

落ち綿というのは、綿から糸をつむぐ工程で落ちてしまったくず綿のことを言います。糸を紡ぐのにも、もつれあった繊維を解きほぐしたり、太さを均一にしたりなど、様々な工程があります。そしてその工程の度に、どうしても余分な綿が落ちてしまうのです。本来なら捨てられるものなのですが、綿としての品質には変わりありません。それを再利用したものが「落ち綿」となります。

 

落ち綿は繊維が短いため、それだけを使ってもボリューム感のない生地になってしまいます。しかし繊維が短いゆえに他の素材と混ざりやすく、ラフで優しい質感を与えてくれます。また超長綿と落ち綿が混ざり合うことで自然なムラが生じ、これがまたいい具合にヴィンテージ感を演出してくれるのです。

 

製造へのこだわり

Kepaniでは製造にも大きなこだわりを持っています。

和歌山の伝統的な編み機

生成された糸は、今度は和歌山へと送られます。和歌山といえば、日本でも有数の紡績が盛んな地域です。ミカンや梅干しのイメージが強いかもしれませんが、モノづくりもすごく活発なんですよ。いまでも吊り編み機を使って生地を生産しているのは、世界でも和歌山くらいではないでしょうか?

 

江戸時代・紀州藩のころから木綿産業では全国でも有数の地域でした。もともと気候が温暖な地域なので、綿花の栽培に適していたのです。今でも丸編みニットについては全国トップクラス。40%ものシェアを誇る和歌山の主力産業となっています。

 

 

そんな和歌山に丸編み機がやってきたのは1909年のこと。和歌山市にスイス製の吊り編み機が5台導入され、ニット産業が開始となりました。大正時代には第一次世界大戦のさなか、衣類の需要が爆発的に増え、全国一の生産量を誇るようになります。昭和時代には両面機が導入され、ますますの発展を遂げていきました。

 

しかし80年代、吊り編み機よりも圧倒的に生産スピードの速いシンカー編み機が導入され、少しずつ落ち着きを見せるようになります。シンカー編み機の1時間当たりの生産量は、吊り編み機の約15倍。全国の工場はこぞってシンカー編み機を導入し、吊り編み機はその姿を消していきました。

 

 

ですがそんな吊り編み機がいまだ現役で稼働しているのが和歌山なのです。吊り編み機で編み込まれた服は、ふんわりと柔らかいのに強度が高いのが特徴。生地に圧をかけて強度を測ったところ、シンカー編み機の生地は4キロほどの強度だったのに対し、吊り編み機の記事は7キロ以上もあったそうです。さらに伸縮性も抜群で、体にピタッと馴染む。着心地は断然、吊り編み機の方が上です。

 

もちろんKepaniもこだわりの吊り編み機で編み込まれて、、、

 

と思いきや、実はKepaniにはシンカー編み機が使われています。もちろんこれにはきちんとした理由があって、Kepaniのラフィー糸を最大限に生かすためですね。Kepaniの裏毛は表糸・中糸・裏糸の3本から仕上がっています。わざと細い糸を採用して、やや甘めに編み上げるのがポイント。編みに遊びを残すことによって、シンカー編み機でもふんわりとした肌触りと、何年も着古したかのようなヴィンテージ感を表現しているのです。

 

しかもシンカー編み機も最新のものではなく、あえて旧式を使用しています。甘めに編むといっても、適当に編めば不良品になってしまいますから。腕の確かな職人の手によって、コンマ単位の調整を行いながら編み込まれていくのです。

 

松阪伝統の起毛技術

そして出来上がった服は、今度は三重県に送られます。三重県も昔から綿織物が有名な地域でしたよね。江戸時代、江戸の街を彩ったのは松阪もめんの着物でした。当時の人たちにとって、松阪もめんは最高の贅沢だったのです。

 

この当時、幕府は財政難を解消するため、たびたび倹約令が出されていました。その効果は衣食住のあらゆるところまで及び、江戸の住民は贅沢することが禁じられていたのです。

 

ですがそんな状況の中、松阪もめんの大流行が起こりました。

 

松阪もめんは天然藍の先染め糸を使っており、染め方により絶妙な濃淡が表現されています。「松坂嶋」と呼ばれる縞模様が、幻想的なグラデーションになっていたのです。あまりにも繊細なため、遠くから見ると模様のない無地の着物のようにも見えてしまうほど。しかしこれが当時の江戸では好都合でした。

 

遠くからだと無地に見えるということは、近くでよーく見られない限りは贅沢品とはバレません。そのため、松阪もめんは倹約令の中でもできるオシャレとして、爆発的に広まっていったのです。当時の江戸の人口は100万人ほどでしたが、松阪もめんの着物は50万反以上の売り上げがあったとも記録されています。

 

 

くしくも当時の松阪国は和歌山と同じく紀州藩の領土だったりします。偶然か必然か。Kepaniでは紀州で培われた技術がふんだんに取り入れられているのですね。

 

 

さてその三重県では、「起毛」を行います。起毛とは、生地の表面の繊維の羽毛を出す処理のことです。細かい針布(しんぷ)のついたローラーを回転させて、その上に布を走らせます。表面を掻くようにして、羽毛を掻き出していくのです。

 

生地の表面を羽毛が覆うことになるので、また柔らかい手触りになっていきます。生地の厚みも増すため、保温力もさらにアップ!そしてなんといっても、起毛することでKepaniのラフィー糸はさらに独特の風合いとなり、さらに味わい深くなっていくのです。

 

 

そして起毛が終わると、今度はタンブラー加工。タンブラー機(衣類を乾燥させる機械)を使って、最後の仕上げを行います。生地に圧力の高い空気をかけることにより繊維が揉みほぐされ、よりふっくらとした生地に仕上がります。

 

こうしてKepaniが完成します。素材からこだわり、工程にもこだわり。そのこだわりの1つひとつを知っていくほどに、そこにまつわる歴史や文化についても考えさせられます。これだけのこだわりを持った1枚ですから、きっと皆さんにとってもかけがえのない1枚になってくれることでしょう。

 

Kepaniのコーディネイト

Kepaniはタイトなシルエットであるため、それ1枚で着てもすごく様になります。

 

スウェットパーカー マンチェスターⅡ【Kepani】
NEW FARMERS 5P CHINO 【ORDINARY FITS】
DEADSTOCK CHUKKA LOW 【VANS】

どんなボトムと合わせても◎!

デニムはもちろん、チノパン、カーゴパンツ、トラウザー、オーバーオールなど、あらゆるアイテムをしっかりとまとめてくれます。

 

スウェットパーカー マンチェスターⅡ【Kepani】
WORK TROUSER【Au Vrai Chic】 OLIVE
スウェードチャッカブーツ【keps】 NERO

 

パーカーをインナーとして使ってもOKです。

COTTON KNIT ROLL WATCH 【DISCE GAUDERE】 ライトグレー
DOCTOR COAT onewash インディゴ【ORDINARY FITS】
スウェットパーカー マンチェスターⅡ【Kepani】
DEADSTOCK CHUKKA LOW 【VANS】

 

COTTON KNIT ROLL WATCH 【DISCE GAUDERE】 ライトグレー
フリースベスト【ATMOSPHERE MOUNTAIN WORKS】

スウェットパーカー マンチェスターⅡ【Kepani】
DEADSTOCK CHUKKA LOW 【VANS】

 

若すぎず、落ち着いたコーディネイトになります。

 

シャツの上にKepaniを着てもいいですね。

ENGINEERS SHIRTS 【ORDINARY FITS】
フルジップスウェットパーカー マンハッタンⅡ 【Kepani】
スウェードチャッカブーツ【keps】 NERO

 

Kepaniはタイトなシルエットですが、伸縮性があるので中にシャツを着ても全然きつくならないんです。

 

それぞれのサイズ感は

2(M)サイズ

3(L)サイズ

4(XL)サイズ

 

ピッタリ目のサイズ、ゆったりめのサイズ、それぞれ違った印象で着こなすことができます。

シンプルなデザインだからこそ、無限大のコーディネイトが生まれるわけです。

 

自分が着たいものを、好きなように着ることができる。

 

それこそが1番贅沢なファッションなのかもしれませんね。

まとめ

このように、Kepaniには多数のこだわりが詰め込まれています。決して派手なデザインではありませんし、値段も大人向けです。しかし、1度手に取ってしまえば、きっと満足感が得られると思います。

 

和歌山県の編み機の話でもそうだったように、現代は大量生産・大量消費の時代です。消費者はコスパのいい商品を求め、企業は低コストで同じものを大量に作り出します。生活や豊かになりましたが、“個性”はどんどんなくなってしまいます。

 

ですがそんな時代だからこそ、こだわりを持った商品たちがより光り輝くのです。本当にいいものを求めている人は、いつの時代にもいます。どれだけ時代が変わっても、こだわりぬいた1品は支持され続けるのです

 

「永続できるモノつくり」

 

これこそがKepaniがたどり着いた答えなのかもしれません。

 

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